週末家具工房 NAOTO_FURNITURE

DIYで本格的な家具づくりに挑戦

キャビネットづくりに挑戦⑥ 幕板のとりつけ

キャビネットづくりの6日目。幕板をとりつけます。

 

芯材のカット

側板と同様にランバーコアでもよかったのですが、パイン材の端材が倉庫にあったのでこれを活用することにしました。
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「Kreg丸ノコガイドリップカット」を使ってカット。幅は49ミリ。
底板から床まで50ミリですが、あえて1ミリ短い幅でカットします。今回のキャビネットは側板で支える構造なので、幕板を床に設置させる必要はありません。(逆に床までにすると、高さを合わせるのが難しくてガタつきの原因となってしまいます。)


ビス止め用の穴あけ

幕板は、底板にビスでとりつけます。手持ちのビスの長さが40ミリなので、少し穴を掘ってからビスをうちます。狭い幅にまっすぐ穴をほりたいので、ドリススタンドを使いました。
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トラス頭のビスで頭の径が約9ミリなので、まず、径が10ミリのドリルで24ミリの穴をほります。
私も以前はきちんと理解していなかったのですが、ビス止めをする時、ビスをうつ側の材(今回は幕板側)はネジをきかせる必要はありません。木材は膨張したり、伸縮したりしますので、むしろネジの径より大きめの穴をあけておくと割れを防ぐことができます。今回、ネジの径が4ミリなのでが5ミリのドリルで残りの部分(25ミリ)を貫通させた上で、ビス止めをします。
きれいに穴があきました。

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突板の貼り付け

側板の時と同じように、ボンドで突板を貼り付けていきます。
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ローラーを使ってしっかりと接着させます。
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はみ出た突板をカッターで切り取り。
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芯材はパインですが、見た目はブラックチェリーです。
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側板の面材(5ミリ)の内側に取り付け。幕板がはいって安定感が増しました!

時間がなく、本日はこれで終了。次回からは、框戸の製作にはいります。



キャビネットづくりに挑戦⑤ 段欠きとビスケットジョイント

キャビネットづくりの5日目。前回までに製作した側板、天板、底板を組んでいきます。

背板用の段欠き加工

箱に組む前に、背板を設置するための段欠き加工をしておきます。
トリマーと自作のトリマーテーブルを使って5ミリ幅で加工。
テーブルは合板に角材を取り付けただけの簡単なもので、作業台にクランプで固定して使用します。

裏側はこんな感じ。トリマーを取り付けるベースはこのテーブル用に購入して最初から取り付けています。トリマー本体を差し込むだけで簡単に設置できます。
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テーブルの角材は片方の端だけビスで固定していて、そこを起点にして自由に幅が変えられる構造です。今回、10ミリのストレートビットを使用して、5ミリの段欠きができるようビットの出る幅を調整してます。この調整は、スコヤなどを使ってもいいのですが、写真のようなハイトゲージを使うと、幅や高さをより簡単・正確に調整ができるのでおすすめです。

スマホ用のアームを使って集塵ホースを固定。うまく調整すれば意外と使えます。

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こんな感じできれいに段欠き加工ができました。
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ビスケットジョイント

天板と側板はビスケットで組みました。ビスケットジョイントをする場合、普通は専用のジョイントカッターを使います。
とても便利な道具ですが、2〜3万円はします。アマチュアで年数回程度しか使わない自分としては購入をためらっているところです。
そこで、トリマーのビスケットジョイント用ビットを使って加工をしています。このビットは厚さが4ミリでマキタのビスケットにもちょうどいい幅です。(ビスケットジョイント用でもビットによって厚さが若干違うので購入の際は要注意です。)

木口の真ん中ぐらいにビットの位置を調整します。天板と側板で加工する位置(高さ)が揃っていればいいので完全に真ん中にする必要はありません。

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トリマーで加工する場合、ビスケットの幅に合わせた加工が必要となります。線を中心として左右に動かす幅を決めておきます。
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トリマーのベースをしっかりと板に合わせて加工します。トリマーが傾くとジョイントの溝が斜めになったり、幅が大きくなってぶかぶかになってしまいます。

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いい感じで加工ができました。
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ビスケットの幅にピッタリでした。もう少し幅に余裕をもたせた方が材をつなぎやすいと思います。
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側板の側面にも加工していきます。木口にトリマーを置いて加工しますが、ベースを置く幅が少なく不安定になってしまいます。そのため、適当な材を木口に高さにあわせて両面シールで貼り付けてベースが安定するようにして加工しました。

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少し、トリマーがぶれてしまったところもありますが、問題なく接合できそうです。

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クランプで固定。ボンドが乾かないうちに手早く組み合わせるため、組み立て途中は写真をとる余裕もありませんでした。
ここでのポイントは直角に組めているかどうか。ボンドが乾く前にしっかりと確認します。

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一晩置いてクランプをはずしました。うまくいきました!!

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次回は、まず幕板を設置して、時間があれば框戸の製作にとりかかろうと思います。

キャビネットづくりに挑戦④ ー木口への面材の貼り付けー

面材の製作

キャビネットづくりの4日目。前回製作した突板の木口に面材(厚さ5ミリのブラックチェリーの無垢材)を貼り付けていきます。

前回までの作業で側板の表面はきれいになりましたが、木口部分は芯材(ランバーコア)が剥き出しのままです。家具の裏側はこのままでいいのですが、表にくる部分は見栄えが悪いですね。
木口テープを貼ってもいいのですが、無垢材を貼り付けると、よく見ないと突板とわからないくらい質感があがります。角を面取りする加工もできて、手触りも無垢材と変わらない感じに仕上がります。

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問題は、この面材(幅5ミリ)をどうやってつくるか。
今回、無垢材はネットで購入しましたが、幅は最低でも20ミリから。50ミリで購入し、必要な枚数を自分でカットすることにしました。
これもテーブルソーがあればいいのでしょうが、丸ノコしかないので丸ノコ定規でカットします。
写真ではよくわかりませんが、定規が使えるようにブラックチェリーの角材にランバーコアを木工ボンドで完全に接着してます。定規の下にベニヤを置いて、ブラックチェリー材と高さを合わせました。

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なんとか面材がカットできました。こんな感じで接着していきます。

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面材の貼り付け

突板を貼った時と同じように、ゴム系ボンドを面材と木口の両方に塗って、触ってもくっつかない程度(10分〜20分)置いておきます。丸ノコで切っただけだと、どうしても鋸目跡がついてしまうので、きれいに接着できるよう事前にサンドペーパーをかけています。

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ローラーで圧着していきます。

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ゴムハンマーで叩いたり、当て木をして金槌で叩いたりしてもいいです。ポイントは、面材と突板の間に隙間ができないようにすること。隙間ができそうな部分があればクランプで締め付けて圧着しました。
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面材のはみ出た部分を切断。

面材の高さ調整

突板の厚みが20ミリですが、面材は少しずれることも考えて22ミリにしています。そのためはみ出た部分を、まずはカンナで削っていきます。この時、突板の表面を削ってしまうと台無しで修正ができませんので、慎重に作業します。

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ある程度カンナで削ったら、サンドペーパーで最終的に高さをあわせていきます。この時も突板部分にペーパーがあたって裏地がでてきてしまうと台無しです。
なお、接着に使ったゴム系ボンドがはみ出したりしている部分は、シンナーを使って拭き取ってあげれば、きれいにとれます。
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なんとかできました。きれいに仕上がれば、無垢材にしか見えません。
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次回は、製作した側板、天板、底板を組んでいきます。

キャビネットづくりに挑戦③ ー突板の貼り付けー

形を整える

キャビネット作りの3日目。前回はフラッシュ構造の板を製作しましたが、芯材と表面のベニヤは多少ずれるので、設計通りの大きさにカットしていきます。

最初に丸のこ定規を使って長辺をカット。幅10ミリの余裕があるので適当なところでカットすれば大丈夫。

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次に、スライド台を使って、今カットした長辺部分を基準に、左右の短辺が直角になるようにカット。

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最後に、最初にカットした長辺と並行になるようにカットします。
パネルソーはもちろん、テーブルソーも持っていないので、この部分の精度をだすのがむずかしいですね。こういう時は「Kreg丸ノコガイドリップカット」を使ってます。

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この丸ノコガイドは、カット幅のメモリがあり、簡単に設定できる優れものです。

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カットする時は、材に沿わせているガイド部分がずれないように集中します。

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うまくカットできました!!

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突板の貼り付け

次は、カットした材のうち、側板2枚の外側の部分にブラックチェリーの突板を貼り付けていきます。
突板はネットでサブロクサイズを購入しました。こんな感じで丸めて送っていただけるので、大きさに関係なく送料は安くすみます。

きれいなブラックチェリーの板目です。購入した突板は裏面が特殊紙で強化されていて、扱いがとても楽なタイプのものです。

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ハサミで必要な大きさにざくざくカットできます。
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ゴム系ボンドを使って接着していきます。突板の種類によってはアイロンで接着するタイプのボンドを使用するようです。
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少しムラができましたが、厚く塗る必要はありません。ベニヤの表面と突板の裏側の両方に塗っていきます。
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気温等にもよりますが、10分〜20分程度待ちます。手で触ってくっつかない程度になれば大丈夫です。
突板を貼り合わせる際、一度くっつけると剥がせなくなってしまうので注意が必要です。まず適当な棒をおいて、この上で突板の位置を調整します。
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突板には最初にボンドを塗ってます。くっつかないように気をつけながら、ちょうど良さそうな位置を決めます。

少しずつ棒を抜いて、ローラーで接着していきます。ローラーを使ったり、木をあてて叩いたりして圧をかけることで接着できます。特に端っこの方は丁寧に接着していきます。このゴム系ボンドは通常の木工用ボンドのような時間をかけたプレスは必要ないので、その点はすごく楽ですね。
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はみ出した部分はカッターで切り落としていきます。

側板2枚、貼り合わせ完了。今回は、最後に突板を貼り付けましたが、最初からベニヤに貼り付け、それを丸のこでカットしてもよかったかもしれません。

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次回は、この側板の木口にブラックチェリーの無垢材(厚さ5ミリの面材)を貼り付ける工程に移ります。

 

キャビネットづくりに挑戦② ーフラッシュ構造の板づくりー

箱物家具に使う板

キャビネットづくりの2日目。今回は、家具の外枠部分(側板など)を製作します。

 家具の板としては①無垢材の板接ぎ、②集成材、③突板など、いくつかの方法が考えられます。ただ、少し大きい箱物家具を作る場合、板接ぎや集成材だと、すごく重くなってしまいます。
 また、無垢材で大きな面をつくれば、その分、反りも大きくなり、加工が簡単ではありません。集成材は、反りにくくはなりますが、小さな材の集まりなので無垢材の様なきれいな木目はありません。
 そのため、箱物家具では軽く作れて、無垢材と同じ木目を活かせる突板が使われることが多くなります。DIYの家具では、あまり馴染みがない方法かもしれませんが、今回、突板に挑戦します。

フラッシュ構造の板づくり

 突板は無垢材を薄くスライスし、これをベニヤや合板等に貼り付けたものです。まずは、この突板を貼り付けるための板を製作します。
 ランバーコア等をそのまま使用して突板を貼り付けてもいいのですが、できるだけ材料を節約しつつ、強度のある板にするため、フラッシュ構造(中が空洞)の板をつくります。
 このフラッシュ構造は、箱物家具では一般的に用いられる方法で、家具店に並んでいる箱物家具のほとんどは、この構造です。
 今回、厚さ15ミリのランバーコアを芯材として使い、下図のように組みます。その両面に2.5ミリのベニヤを貼り付け、20ミリの板を製作します。
 左側の幅が広いのは、扉を取り付ける金物を設置するため。フラッシュ構造の場合、当然ながら空洞部分にはビス等が使えませんので、あらかじめ設置場所を考えておく必要があります。

長い材のカットは自作の丸のこ定規を使いました。1メートルまでカットできます。

ガイド定規でレールを挟み込めるようにしています。
これで、確実にまっすぐカットできます。

こちらは自作のスライド台。テーブルソーはないので、これが大活躍してます。
かなり大きな作りで、縦720ミリまでの材をカットできます。

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芯材をタッカーでとめていきます。

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電動やエアーのタッカーがあれば、より簡単ですが、手動でも十分です。
ちょっと力はいりますが、、、。

木工用ボンドで表裏をそれぞれベニヤに貼り付けます。突板を貼り付ける面は安いラワンベニヤ、家具の内側の見える部分には表面がきれいなシナベニヤを貼ってます。
ペイントローラーを使えば簡単に広げられるのでおすすめです。

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使っていない物干し台を置いて一晩寝かせました。
特に4辺がきちんと接着するようホームセンターで鉄製のL型アングルを購入し、クランプで固定してみました。
いかに均等にプレスできるかがポイントです。

なんとか、うまく接着できました。ベニアが少しずれてますが、もともと上下左右1センチ大きめに作っていて、最後にカットして整えるので大丈夫です。

次回は、今回製作した板の上に突板を貼り付ける工程にはりいます!

 



 

キャビネットづくりに挑戦①

DIYで本格的な家具づくり

 趣味で家具づくりをはじめて2年ちょっと。教室にも通いながら、少しづつ技術を学んできました。
 最近作ったのは、2段の整理箱。引き出しの前板はタモの無垢材を使ってます。普通のデザインですが、取っ手となる部分は円形にくり抜いてアクセントにしてみました。

 箱の外枠は同じ材でもよかったのですが、試しにランバーコアの表面にタモの突板を貼って作成してみました。突板も表面は無垢のタモなので、見た感じや触った感触に違いはなく、いい感じに仕上がりました。

 引き出しは、手加工の練習も兼ねてノコとノミだけで5枚組み接ぎに。

キャビネットづくりに挑戦

 今年は、少し大きめの箱物家具にチャレンジしてみようと思います。
 作るのは、このキャビネット。スケッチアップで作図しました。

扉の内側はこんな感じ。棚は可動式にします。

 

製作のポイントは次の3つです。

1 広葉樹で高級感のある家具に!

 材料はウォールナット等とも並ぶ高級木材であるブラックチェリーを使い、シンプルかつ高級感のある家具に仕上げたいと思います。

2 フラッシュ構造の突板で、軽い家具に!

 このような大きめの箱物家具を作るとき、すべてを広葉樹の無垢材にしてしまうと、かなりの重量です。(費用面でも厳しい。)そのため、側板などの箱の外側部分は整理箱と同様に突板に。また、フラッシュ構造(中を一部空洞)にして、できるだけ軽く、それでいて無垢の質感を活かせる家具にしたいと思います。

3 扉は框組に!

 扉は、框組構造にして鏡板(またはガラス板)をはめ込んだものにチャレンジしたいと思います。框はほぞ加工や鏡板を入れる溝加工など、精度の高い加工が必要となってきます。

手道具と限られた電動工具でのチャレンジ 

 このように、プロの木工家が作られるような本格的な家具を目指していますが、自宅には十分な設備はありません。(今、持っているのは、ノコやカンナ等の手道具のほか、丸のこ、トリマー、電動ドライバー等の限られた電動工具のみです。)
 私のようなアマチュアでも、時間をかけて、治具など工夫することで、どこまで本格的な家具をつくれるか、チャレンジしてみようと思います。